自律神経と感情
Q :なんで怒りや悲しみといった感情が自律神経と関係があるのか?
A :人の感情には主に大脳辺縁系が関与しています。
この大脳辺縁系と自律神経の中枢である視床下部が情報をやりとりしているため、人の感情は自律神経に影響を及ぼすのです。つまり心の問題も自律神経の働きに関わってきます。
自律神経の中枢は視床下部です。
それを囲むように位置しているのが大脳辺縁系で、更にその外側が大脳皮質です。
内側の大脳辺縁系は、感情、本能、欲求に関与しています。
一方外側の大脳皮質は知的な能力や論理的、理性的な活動に関与しています。
視床下部は大脳辺縁系や大脳皮質から影響を受けています。
大脳辺縁系、大脳皮質から発せられた指令は視床下部を通して自律神経に伝わり体の各部分へ伝達されてきます。
外部からの刺激によって、ある感情が生じると大脳辺縁系から視床下部に情報が伝わり、それにより、視床下部は自律神経に、体の各器官を適切な状態にするように指令を出します。視床下部は大脳辺縁系からの情報によって自律神経をコントロールしています。
ストレスの多くは喜怒哀楽の感情や本来の欲求が満たされない、あるいは理性で抑えなければならない時に感じます。
つまり、大脳辺縁系の働きを大脳皮質が抑える傾向があります。こうした混乱が視床下部に伝わると自律神経にも乱れが生じます。これが自律神経と感情が関係する理由です。
感情とカラダの歪み
怒りや悲しみといった感情・精神的ストレスによっても体は歪みます。精神的ストレスを受けると体のどこかにこわばりが出たり、力が入ったりします。体のどこかで筋肉が硬くなっているのです。
皆さんも嫌なことがあったり、イライラしたり、恐怖や不安を感じた場面、緊張した時などに顎や首、手足に力が入っていることを感じたことがあると思います。筋肉は骨から骨に付着しているので、筋肉が硬く縮むことで骨と骨を近づけるような力が骨格に加わります。こういった反応が日常的に繰り返されることで体は傾き歪みが発生するのです。
これと反対のことも言えます。
良い姿勢には 良い精神が宿る
姿勢の悪さや筋肉のコリなど、体の症状を多くお持ちの方は、気分の落ちこみ、感情の制御、精神の状態が不安定など心の症状を患っている方が多い傾向があります。姿勢を矯正することで筋肉のコリや歪みが取れて、さらに精神状態まで改善させることができるのです。つまり体の歪みがその人の精神状態にまで影響を及ぼすと言うわけです。